河合ひかる Hikaru Kawai
Communicate
映像|2019
映像内で二人の男女が向かい合い、会話をしている。一言一句、全く同じセリフを言い合っているが、片方の音声は必ず逆再生になっているため、会話が成立していない。
『旧約聖書』の「バベルの塔」のエピソードから着想を得た。使用言語が同じであっても私たちは感覚を共有出来ない以上、必ずどこかで認識のずれが生じてしまう。
本当の意味で他者と「わかり合う」ことなど、自らの思考が言語でできている時点で不可能なのだ。
しかし、私はわかってもらいたいしわかりたいのである。
(武蔵野美術大学油絵学科進級制作 石井友人賞)
ARTIST
河合ひかる
Hikaru Kawai
東京藝術大学大学院 美術研究科 先端表現専攻
修士1年に在籍中。言語・国籍・性別・歴史、、、など、社会に無数に存在している「人を縛る記号」に着目し、言語の優位性を揺らがす試みをしています。日本と中国にルーツを持つ生い立ちから、自身の体験や記憶を基に、そのようなテーマを作品ごとに取り上げ、映像やインスタレーションを使って詩的に表現しているアーティストです。