
館長室
アンディ館長は語る
この美術館の初代館長に就任したアンディが綴る日記です。展示室2「公募展:海外ルーツを持つ表現者たち」に出展された作品のなかでも、彼の気になるものについて作者と語らったりと、館長の眼差しから美術館や多文化社会について紹介します。
#05 / アンディ館長の今週の一作品
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「アンディ館長の今週の一作品」では、「オンライン美術館・わたしたちはみえている ―日本に暮らす海外ルーツの人びと」の館長であるアンディが、同美術館内で公開している公募展から気になる一作品を取り上げて、作家とオンライントークをおこないます。
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作品:
「全ては頭の中」(https://immigration-museum-tokyo.com/2020/opencall/145/ )
「ミューズ」(https://immigration-museum-tokyo.com/2020/opencall/194/)
「細胞」(https://immigration-museum-tokyo.com/2020/opencall/150/)
「小脳」(https://immigration-museum-tokyo.com/2020/opencall/172/)
「毒素」(https://immigration-museum-tokyo.com/2020/opencall/160/)
#04 / ひとりごと
館長のひとりごと・・。
「新型コロナ」ってやつに出会ったときは、年甲斐もなく私はパニックになって、私たちの生活は何もかも変わってしまう気がしたんですね。やがて経済活動の停滞が起きたことはたいへん深刻です。そして私たちは、思い通りいかなくなり、イラついたり、孤独になったりしました。でも、「新型コロナ」の影響はそれだけではないようです。パニックが少しだけ落ち着いて、なんとか周囲を見わたす余裕ができると、その剥き出しになった社会の傷口に対して、新型コロナ流行のずっと前から憂慮し手当を続けていた人々の存在が新たに見えてきました。私も反省したり、身近にできることからのアクションを促されたり・・。当美術館の「多文化社会に向き合う団体紹介」は、そんなことを考えるにつれ、今とても大切な提案が詰まっているセクションです。草の根の活動こそが、的確に未来のビジョンを獲得しているように思えてならないのです。
#03 / アンディ館長の今週の一作品
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「アンディ館長の今週の一作品」では、「オンライン美術館・わたしたちはみえている ―日本に暮らす海外ルーツの人びと」の館長であるアンディが、同美術館内で公開している公募展から気になる一作品を取り上げて、作家とオンライントークをおこないます。
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作品:「Untitled」(https://immigration-museum-tokyo.com/2020/opencall/1411/)
#02 / アンディ館長の今週の一作品
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「アンディ館長の今週の一作品」では、「オンライン美術館・わたしたちはみえている ―日本に暮らす海外ルーツの人びと」の館長であるアンディが、同美術館内で公開している公募展から気になる一作品を取り上げて、作家とオンライントークをおこないます。
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作品:「眼」(https://immigration-museum-tokyo.com/2020/opencall/237/)
#01 / 「少しだけ気が重い」こと「嬉しくてたまらん!」こと。
活動開始から10年目を迎えるイミグレーション・ミュージアム・東京が提供する「美術館・わたしたちはみえている―日本に暮らす海外ルーツの人びと―」のサイトをご覧いただきありがとうございます。
皆さん、初めまして。私は魚穴安日a.k.a.アンディ・ウオホール(笑)です。
私自身の紹介はこのページ左端のメニューから読んで頂くとして、さっそく「館長室へようこそ!」と、始めたいところですが、実はまだ「美術館」は開館していないので、館長室の鍵もかかったまま・・と、ここまでは予定通りです。
しかし、この先をお話しするのは少しだけ気が重いのです。
この美術館は、会期をひと月に限定して、来る8月22日のオープンを予定しておりましたが、幾多の文化イベントの例に漏れず、昨今のCOVID-19感染予防の観点から開催を延期せざるを得なくなりました。2年前からスタッフと準備を進めてきた計画が、不本意に変更されるのは辛いことです。
しかし、その一方では、COVID-19感染下において、海外ルーツを持つ方々に対する人々の意識や社会の有り方が次々に顕在化していきました。このような時だからこそ見えて来るもの。初代館長就任ということで浮かれていた私にとって、これらのニュースは夢から正気に戻るような思いでした。そこで私は気づきました。この会期延長は、海外ルーツの方々をより良く知り学ぶために、私たちに与えられた猶予期間だということを。
「少しだけ気が重い」話を先にしましたが、もう一つは本当に「嬉しくてたまらん!」話題です。本展は、テーマの独自性だけでなく、美術館的な構造と機能を持った野心的な展覧会として企画されました。その内容は主に、①日本各地に調査した「多文化共生とアートの実践」、② ゲストアーティストらによる「現代美術からのアプローチ」、そして ③海外ルーツを持った方ならプロアマ年齢を問わず応募頂ける「公募展」という3部門の構成となります。
3つ目の公募部門は去る5/22に締切られましたが、全国各地から約50名による100点を超える作品が集結しました。予想以上の応募数と質の高さ、そしてバラエティに富んだ内容に驚き、スタッフ一同興奮が醒めやみません。応募頂いた方々、本当にありがとうございます。
全ての作品は、このサイトでオンライン公開中です。この中から、実際の展覧会にご招待する作品を厳選していきます。スタッフの中で話題になったり、私自身が気になる公募作品はこの「館長の部屋」の中で随時紹介していきたいと思います。もちろん、新たな展覧会期情報はいち早くお伝えします。この「館長の部屋」は、月に数回のペースで更新していくつもりです。ふと、思い出したらこの部屋を覗いてみてください。
お元気で。安日(アンディ)

アンディ館長
魚穴安日(a.k.a.ウォーホール・アンディ)
アーティスト、コリアンダー研究家
1960年代の中頃に東京で生まれたと推定されている。日本国籍らしい。
1990年代から2010年まで世界各国を放浪しはじめ、数か国に居住。その際に土地固有の文化と自身との差異をテーマとして、身近な生活の中からアートを探し出してきた。
彼の考えるアートの領域はきわめて広く、人々が自身の暮らしを「過ごしやすくする」「楽しくする」「豊かにする」など、日常生活をより魅力的に変えるための創意工夫に注目し、それらを「アート」であると認証することを最大の使命だと考えている。
座右の銘 : 旅は寛容を教える
好きな歌手 : テイラー・スウィフト
好きな食べ物 : きりたんぽ鍋
2010年から開始したアートプロジェクト「イミグレーション・ミュージアム・東京」のディレクターを務めており、2020年「美術館 わたしたちはみえている–日本に暮らす海外ルーツの人びと–」の初代館長に就任。